日本型カジノ・IRの価値と規制のあり方とは

   2015/04/22

日本文化をベースに世界の様々な文化と融合

大阪カジノ・IR2

カジノゲームによる差別化だけでなく、リゾートとしての差別化

かつてカジノはそれ単体で集客をし、それぞれのカジノ施設で”どんな雰囲気でどんなゲームが楽しめるか”という点で他との差別化をはかっていた。

ヨーロッパでは紳士・淑女の大人の社交場としてのカジノ本来の姿を保ち、マカオではバカラを楽しみ、ラスベガスではポーカーを楽しむといった具合だ。

しかし、近年になりカジノが統合型のリゾート(IR)へと様変わりしていく中で、カジノそのものの差別化も重要であるが、それ以上にカジノ以外のサービスによる差別化が最重要課題となってきた。

その背景には、カジノリゾートを訪れる人々の”目的の多様化”が深く関わっている。

ショッピングをする人もいれば、ビジネスで訪れる人もいる、ショーを見に来る人もいる、家族で休日を楽しむ人もいる、内国人もいれば、外国人もいる。

”合法にギャンブルが出来る”というだけでは、一時は目新しさで客が集まる可能性はあっても、その後継続的にリゾートとして発展していくことは難しいだろう。

 

やはり打ち出すべきは「日本食」

近年、世界でも注目度の高い”日本食”。

世界のカジノリゾートにおいても、「食」と「アミューズメント」が重要なポイントになっていることを考えると、「日本食」が日本のカジノリゾートにおける強みの一つになることは間違いない。

また、カジノリゾート(IR)において重視されるのは、「事業内容と地域特性の融合」である。

この点”食”というものは、材料ひとつとっても地域の特産物があったり、料理の味付けなどが地域特有のものであったりする。

「ここに来なければ食べられない食事」

IRからこれを打ち出すことが出来れば、その地域への観光誘致につながるだろう。

ただ、”カジノでお金を落としてもらうため”ではなく、”地域を知ってもらい、地域を盛り上げ、その地域のファンになってもらうため”にIRを活用することができれば、地域経済振興という観点からもプラスの効果が見込める。

その一端を日本食が担えるのではないだろうか。

そして、仮に大阪や横浜など限られた地域にしか、カジノ・IRがなかったとしても、日本食自体は日本全国に様々な種類が存在する。

地域振興にとどまらず、日本全体の経済振興に寄与する可能性も十分考えられる。

 

その他にも建築などにおける日本独自の考え方が

もちろん建築技術が優れていることもだが、それ以上に建築に対する考え方という部分に日本独自のものがある。

環境に配慮した、つまりエコな建築だ。

関西経済同友会が発表した大阪IRの未来図においても、この点は言及されている。

大阪カジノ・IRの未来図を大公開!

日本で新たに地球環境に優しい、新しい技術をフルに活用した、つまり”エコ”で”スマート”なIRを作ることができれば、世界に対してその価値観を発信し、世界を啓蒙することもできるのでないだろうか。

 

規制の在り方を考えることもまた必要

ここまでは「どのようにしてよりプラスの価値を作り出すか」について議論してきたが、カジノ・IRというものは性質上良い面もあれば悪い面もある。

カジノ誘致反対論者たちが声高に叫ぶ”ギャンブル依存症”や”青少年への悪影響”、”治安悪化”などがそれにあたる。

これらへの対策として挙げられる筆頭が、”入場規制”だ。

○○歳未満は入場できない。月○○回までしか入場できない。家族にストップされた人は入場できない。入場料をとる。などなど。

少なくともカジノ・IRにおいては、入場するためには身分証(ID)を見せることが必須とされるので、競馬やパチンコなどと比べれば比較的規制をすることは容易い。

しかし、意味もなく規制をするだけでは本来の目的にそぐわない可能性もある。

規制の目的とは、プラスの面(いわゆる”金を稼ぐ”という部分)をなるべく阻害することなく、マイナスの面(ギャンブル依存症や治安悪化など)のリスクを最小にすることである。

例えば、○○歳未満は入場できない、つまり年齢規制についてはアルコールやたばこや公営ギャンブルにもあるように、必須のものであり、議論の余地はない。

他にも、家族にストップされた、自分で申告したなど”能動的に”入場規制を求める場合についても、自身または家族のことなので全く問題ないだろう。

また、ギャンブル依存症になってしまった人に対して規制することも必須だろう。

予防という観点から、入場回数・頻度の規制をすることも必要だ。

とすると、「入場料をとる」というのはどうなのだろうか。

 

入場料をとることでギャンブル依存症に効果があるという実績・科学的根拠はない

日本カジノ構想において目指すモデルとされるシンガポール型カジノ・IRや韓国では内国人に対して入場料を課している。

しかし、世界的に見れば入場料を課すカジノは圧倒的に少数派である。

つまり入場料によって依存症が減った(増えなかった)という”実績”はないのだ。

さらに入場料によって依存症が減った(増えなかった)という科学的根拠もない。

むしろ入場料によって依存症が増える可能性すらあるというから驚きだ。

その可能性の根拠としては、以下が挙げられる。

1)入場料は利用者にとって「取り返すことの出来ないコスト」、即ち「サンクコスト」として認知される
2)サンクコストは、カジノ利用者の撤退の判断を誤らせる(行動経済学でいうところの「サンクコストの呪縛」)
3)結果、入場料の設定はむしろ入場者による間違った施設利用を助長してしまう可能性がある
4)そもそも、この施策は「多少のコストは賭博で取り戻せる」と考えてしまうような利用客(即ち依存リスクの高い客)であればあるほど、抑止効果が下がる

やはり今の日本カジノ構想においては、シンガポール型カジノ・IRを最終目標としており、良い部分についてはそのまま進めれば良い。

しかし、盲信し悪い部分までも踏襲してしまうことがあってはいけない。

日本カジノ情報(JCI)のコメント

日本型カジノの最終目標としては、カジノに行きたい人が世界中のカジノの中から選んで来る場所になることではなく、「そこに行くために日本に行きたい」という”観光の最終目的地”になることだろう。

日本文化自体は世界でも注目度が高いので、カジノ・IRとうまく融合させることで相乗効果を出すこともできる。

「一回行ってみたい」ではなく、「もう一度行ってみたい」施設づくりが重要になるのではないだろうか。

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