世界のカジノ情勢ってどうなってるの?

   2015/04/22

世界的にカジノのない国は少ない?

世界地図

2014年から幾度となく話題に挙がる”日本カジノ誘致構想”だが、世界を見ると実は過半数を超える国々にカジノは存在している。

その目的は外貨獲得や観光産業振興など。

数にして112カ国以上、OECD(経済協力開発機構)加盟国に限ってみればカジノを合法化していないのは日本・アイルランド・ノルウェーの3国のみだ。

そして、世界的に有名なカジノリゾートと言えば、ラスベガス(アメリカ)・モンテカルロ(モナコ)・マカオ(中国)・アムステルダム(オランダ)・バーデン(ドイツ)などが挙げられる。

近年では、ギャンブルに限らず比較的規律の厳しかったシンガポールが 観光客誘致を目的にカジノを解禁した。

また、お隣韓国では、1960年代半ばから、外貨獲得・観光振興などのため、”外国人観光客のみ”をターゲットとしたカジノ(当初は13施設、現在は16施設)がつくられ、2000年には韓国唯一の”自国民向け”カジノが韓国北東部の江原道(カンウォンドー)に作られた。

ネパールやベトナムのカジノは全て外国人限定となっている。

しかし2014年中ごろから、習近平国家主席が進める反腐敗運動の影響によるマカオカジノの衰退が報じられており、マカオと同じく中国人富裕層をターゲットとしていた韓国やシンガポールをはじめとするアジア圏のカジノにも影響はでると考えられている。

 

気になるお隣韓国のカジノ情勢

基本は外国人向け

現在、韓国全土には17ヵ所のカジノが存在しているが、その内16ヵ所は自国民の利用を禁止している。

そもそも当初、1967年に観光振興法が制定された際につくられた13ヵ所のカジノはすべて外国人だけが利用できるものだった。

その背景には、観光振興法そのものが文化観光部所管であったため、あくまでも”観光”に関わる内容となっていた、という事情がある。

江原道(カンウォンドー)に自国民向けカジノが作られる際は、1995年に”廃坑地域開発支援に関する特別法”が改めて制定された。

 

2000年に韓国初の自国民向けカジノ誕生

外国人向けであったとはいえ、韓国国内にカジノが出来てから実に33年の月日が流れ、自国民向けのカジノが江原道(カンウォンドー)に誕生した。

特に1990年代に入ってから、激しい社会的議論となったが、ここからも10年弱ほど時間を要したことになる。

ではなぜそれほど時間がかかったのか?

やはりそこは日本と同じく、ギャンブル依存症患者増加や治安悪化への懸念からくる、根強い反対論があったからだ。

その反対論を押し切り、自国民向けカジノを作ることができた理由は、”廃坑地域開発支援に関する特別法”という法律の名前からも読み取れる。

 

なぜ江原道に自国民向けカジノを作ったのか?

かつて江原道(カンウォンドー)は炭鉱地域で、産業も活発で地域経済は潤っていた。

しかし、時代の流れにのまれ、石炭産業そのものが衰退していく中で、江原道(カンウォンドー)の産業も衰退していった。

石炭産業に頼っていた江原道(カンウォンドー)の地域経済はみるみる弱まっていき、周辺地域住民も生活に困窮していったのだ。

そこで、その弱まった地域経済を活性化させる手段として選ばれたのが、”カジノ産業”だった。

もちろん例の如く、カジノ誘致には反対の声もあったが、そうも言っていられない状況と、また江原道(カンウォンドー)がソウルなどの大都市から地理的に隔離されていたという条件があいまって社会的コンセンサス(合意)を得ることに成功したわけだ。

実際、カジノが作られることが決定した後も、作られた後も反対の声が全くなくなったわけではなかったが、観光振興のための廃坑基金や地方税という形で巨額の納付をしたり、地域貢献のため地域住民を積極的に雇用したりしたことで、徐々にではあるが反対派は少なくなり、現在では少数派になっている。

また、江原道(カンウォンドー)のカジノ収益をもとに、福祉財団を作り、教育奨学金・文化芸術支援などの形でも国民に還元している。

 

江原道カジノは単体でその他16のカジノ施設の総売り上げに匹敵する

江原道(カンウォンドー)カジノの年間売上は1兆2千億ウォン(約1,000億円)と、その他16ヵ所の外国人向けカジノの総売り上げと大差ない。

外国人向けカジノの収益が少なすぎるのでないか?、という声も聞こえてきそうだがここではあえて触れない。

江原道(カンウォンドー)カジノには、年間延べ人数300万人が訪れ、一人当たり40万ウォン使用している。

また、外国人向けカジノにおいては、収益の70~80%をVIPに依存しているのに対して、江原道(カンウォンドー)カジノでは40%程になっている。

現に、VIPに依存していたマカオでは、習近平政権による反腐敗運動で最お得意様であった中国人富裕層の足が離れたことで一気に売り上げが落ちている。

外国人向けカジノの中では、赤字になってしまっている所もあるとのこと。

 

江原道カジノのギャンブル依存症対策

自国民向けカジノと言えば、やはり付いて回るのが”ギャンブル依存症”問題だ。

江原道(カンウォンドー)カジノでは、依存症患者のための治療施設があり、頻繁に出入りしている人にはカウンセリングを受けさせるのだが、それ以前に「いかに依存症患者を作らないか」に重きを置いている。

例えば、”賭けれる金額の上限を設ける(30万ウォン)”、”入場できるのは月15日まで”、”家族申告による入場規制”などの決まりを定めている。

極端な話をすれば、カジノがなくなることがギャンブル依存症を減らすための最善策なのであるが、それでは元も子もない。

なので、施設側は収益を最大化しつつ、ギャンブル依存症などのリスクを最小化するため、カジノ周辺にゴルフ・スキー場・ウォーターパークなどを作り、総合レジャー施設にすることで、ギャンブルだけに集中してしまわないような環境づくりも進めている。

しかし、このギャンブル依存症対策(予防・治療)には多額のコストがかかる。

そのコストを、”ソーシャルコスト”と呼ぶのだが、ソーシャルコストがカジノがもたらす経済効果を超えてしまっているのではないかという見方もある。

前文で、「ではないか」という曖昧な表現にしたのには2つの理由がある。

1つめは、”ギャンブル依存症かどうかの判定が難しい”から。

例えば、インフルエンザであれば、インフルエンザウイルスに感染しているかどうかで簡単に判定できますが、ギャンブル依存症の場合は、その明確な指標がありません。

毎日行っていたからと言って絶対に依存症であるわけでもなく、月に数回しか行っていなかったとしても依存症ではないと言いきることもできない。

破産したから、やお金には困っていないから、なども同様である。

様々な状況証拠から判断するので、確実に”ギャンブル依存症”だと決めることは難しいのだ。

2つめは、”カジノが影響したかどうかの判定が難しい”から。

医師等の知識者から実際にギャンブル依存症だと診断を受けたとしても、その原因がカジノにあったかどうかを判別することは難しい。

カジノ以外にも、競馬や競輪、宝くじなどのギャンブル性のあるものは存在する。

その人がどのギャンブルを、どれだけやっていたかという情報はどこにも管理されていない。

また、個人情報保護の観点から、1年間以上さかのぼってのカジノへの入場履歴を調べることが難しいので、どれだけ通っていたかなど重要なポイントを調査しきれないという事情もある。

日本カジノ情報(JCI)のコメント

日本カジノ構想では、当初「日本人入場規制」が叫ばれていたが、最近になってからは日本人も入場できる方向で進んでいる。(入場料などはかかるかもしれないが。)

なので、やはりギャンブル依存症対策にかかるソーシャルコストは無視できないだろう。

しかし、日本にはすでにギャンブル依存症が疑われる人がとても多く、カジノができるできないに関わらずこのソーシャルコストは必要になってくるだろう。

まずは、経済的・社会的なメリット・デメリットを洗い出し、その詳細を国民に理解してもらうことが重要になることは間違いない。

下部にコメント欄があるので皆さまからもばしばし意見をよせていただきたいです↓

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コメント一覧

  1. 匿名 より:

    カジノは客の立場や、事業としての見方が多いのですが、ネバダ州のように規制するための制度・人をどう確保するかとか、掛け金の所得算入、損の所得控除などの税制をどうするかとかの議論が見たことがないので、全く進めようという気運はないと思いますし、興味だけの素人談義では議論にもならないと思います。

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