セガサミーが強気にカジノ参入を押し進めるワケとは

   2015/04/22

安倍首相をはじめ、政府関係者との深いつながり

安倍首相

カジノ法案一時廃案とセガサミーカジノ本格参入

2014年末に衆院解散、衆院選が実施されたことにあわせてIR整備推進法案(カジノ法案)は一旦廃案となった。

カジノ・IR誘致は安倍首相によって「成長戦略の目玉」と位置づけられでいたが、自民党と連立与党を組む公明党内には根強いカジノ反対論がある。

カジノ法案は、2015年度通常国会に再提出され、再審議となる見通しであり、その中で安倍首相はじめ政府関係者と深いつながりを持つ里見治氏が会長と社長を兼任するセガサミーホールディングスがカジノ事業への本格参入を開始している。

【カジノ法案国会再提出】2015年3月までを目処

セガサミーホールディングスは2014年11月に、韓国カジノ最大手「パラダイスグループ」と合弁会社を設立し、韓国初となる統合型リゾート「パラダイスシティ」の建設に着手した。

セガサミーが韓国でカジノ本格参入

2017年前半の開業を目指しており、ソウル近郊仁川国際空港から数分の立地で、東京ドーム4個分超の敷地に外国人専用カジノや高級ホテルをはじめ、エンターテインメント施設や国際会議場や巨大ショッピングモールなどの整備を進めている。

同施設の運営はセガサミーホールディングスとパラダイスグループの合弁会社「パラダイスセガサミー」が行う。

出資比率はセガサミーHDが45%・パラダイスグループが55%となっている。

第1期投資額は約1380億円にのぼり、近年激増している韓国へ観光にくる中国人富裕層をターゲットにするとのこと。

2014年11月に行われたパラダイスシティ着工式にて、里見会長兼社長は「北東アジア観光の中心的存在を目指し、グループの総力を結集する」と強い意欲を見せており、日本でカジノが解禁された際には2012年に買収したフェニックスシーガイアリゾート(宮崎)へIRを誘致する構想を表明している。

セガサミーホールディングスは現状カジノ・IR運営のノウハウがないので、パラダイスシティプロジェクトを通じての運営ノウハウ会得を目指していると見られる。

 

パチンコ市場の低迷と、パチンコ関連企業のカジノ事業進出

パチンコ業界の市場規模はかつては30兆円を超えるものだったが、たび重なる規制強化により、2003年をピークに年々縮小している。

日本生産性本部が発表した「レジャー白書2014」によれば、2013年の同市場規模は18兆円にまで落ち込んでいるとのこと。

今後も下がり続けると見られている。

1980年代のフィーバー機、1990年代の連チャン機、2000年代初頭の爆裂機など、ブームが起こるたびになされた大幅な規制強化の影響で、年々遊戯人口が減っている。

パチンコ関連企業は、経営・事業の多角化を強いられることになり、その中でパチンコ業界と親和性の高いカジノ事業が注目を集めている形だ。

カジノ専用遊戯機の開発などを行い、世界各地のカジノに売り込むことで新たな収益源を確保する狙いがある。

カジノ運営に本格参入するのも、この専用機器売り込みの一環という見方もある。

上述のセガサミーホールディングスも2004年にアミューズメント機器のセガと、パチンコ機器のサミーが経営統合し発足。

現在にいたっても売上高・営業利益ともに業界最大手ではあるものの、2006年をピークに業績は低迷し続けている。

2014年3月期は連結売上高3780億円・営業利益385億円だが、2006年3月期の売上高5532億円・営業利益1194億円と比べると、営業利益に関しては3分の1程度だ。

また、パチスロ機開発を主事業とする「ユニバーサルエンターテインメント」もセガサミー同様カジノ事業へ注力している。

日本でのカジノ解禁・IR誘致をにらみ、フィリピンでカジノ事業参入を進めている。

さらに、パチンコ・パチスロを含め幅広く事業を展開する「コナミ」はアメリカ・カナダ・オーストラリアでカジノライセンスを取得し、パチンコホール最大手「マルハン」はマカオに本拠地を置くカジノ開発企業(香港で上場)「サクセス・ユニバース」に出資、2012年にパチンコホール企業として初めて香港上場をした「ダイナムジャパンホールディングス」もカジノ事業参入に意欲を見せている。

パチンコ関連企業(メーカー・ホール共に)の中で大手と言われる企業はこぞってカジノ事業進出を目指しているのだ。

 

セガサミー会長兼社長里見氏の持つ政界への太いパイプ

IR整備推進法案(カジノ法案)は、現在刑法で賭博が禁じられている日本にカジノを含む統合型リゾート(IR)を誘致するために、超党派からなる「国際観光産業振興議員連盟」(カジノ議連・IR議連)によってまとめられた。

カジノ議連には、パチンコ業界団体「パチンコチェーンストア協会」のアドバイザーを務める”パチンコ業界の族議員”と呼ばれる国会議員の多くが名を連ねている。

パチンコ利権を享受しているといえば、かつては亀井静香氏をはじめとする「元警察キャリア組」であったが、彼ら警察出身議員が影響力を失ったことで、安倍首相がそのポジションに打って変わった。

安倍首相自身はカジノ議連の最高顧問を務めていたものの、2014年10月に辞任しているが、現在も強い影響力をもっていると見られている。

里見氏は、2009~2012年に自民党が下野した民主党政権時代に、安倍首相に接近していた。

支持基盤が弱り支援者を求めていた安倍氏と、政界へのパイプを求めていた里見氏の思惑が一致したようだ。

結果として、里見氏の目論みは大成功したと言える。

政権交代後も里見氏は安倍首相との会合を複数回行っており、関係は極めて密接だろう。

さらに、東京五輪の決定に沸いた日の1週間後の2013年9月16日には、ホテルオークラ東京で里見氏の実娘と経済産業省キャリア官僚鈴木隼人氏の結婚披露宴が盛大に行われ、式には安倍首相をはじめ、この種の席には顔を出さないことで有名な小泉純一郎元首相、森喜郎元首相、その他にも有力議員が数多く出席している。

ここでテロが起きたら、日本が終わるとまで言われたほどだ。

安倍首相、小泉元首相をはじめ、森元首相が会長を務めた派閥「清和会」のメンバーが数多く出席しており、里見氏の政界人脈は清和会と関係が深いことを知らしめた。

新郎鈴木隼人氏にいたっては、キャリア官僚を辞し先の衆院選の自民東京比例区に出馬し、当選している。

また、2014年1月に国家安全保障会議(アメリカでのNSCにあたる機関)の国家安全保障局初代局長に就任した谷内正太郎内閣特別顧問とも里見氏は密接な関係にあるというから驚きだ。

というのも、谷内氏はかつてセガサミーの顧問であった。

谷内氏は安倍首相の外交・安保分野のブレーンといわれるほどの大物議員。

週間文春(文藝春秋)は2013年に里見氏と安倍氏の密接な関係を報じる中で、谷内氏が里見氏の知人が経営する赤坂の高級韓国クラブに出入りしており、かなり長い関係をもっていると報じた。

谷内氏がセガサミーのゲーム機の中国輸出に尽力しているとも報じられている。

報じられた内容によれば、里見氏と谷内氏は家族ぐるみの仲で、当然の如く里見氏の実娘の結婚式にも出席している。

しかし、実はこの式に安倍首相が出席するか否かに関して、官邸内で議論が巻き起こったそうだ。

理由としては、入管法違反で逮捕された赤坂の高級韓国クラブママと里見氏が、親しい間柄であることが問題視されたからだ。

菅官房長官は出席を見送っている。

ただ実際に上述の通り、安倍首相は出席している。

ここからも里見氏と安倍首相がいかに親しい関係であるかが見受けられる。

日本カジノ情報(JCI)のコメント

安倍首相が「成長戦略の目玉」と位置づけたカジノ法案は、2015年度通常国会での再審議・成立を目指しているものの、連立与党を組む公明党には、いまだ反対派が根強く存在する。

さらに、自民党内でも反対派は少数ながらも存在し、与党内での意見集約も進んでいない状態だ。

民主や共産、社民は強く反対しており、その姿勢を変えることはおそらくないであろうから、まずは与党側でしっかりと意見をまとめておかないと、付け入られることは間違いない。

国民のなかでも依然反対の声が多く聞こえることからも、まだまだ衆院選で大勝したからといって安心できる状況ではない。

また、2020年の東京五輪に間に合わせることを考慮せずとも、成立させるためには「安倍首相在任中」というのが一つ大きな期限になるだろう。

都構想の住民投票で反対になれば引退すると発表した橋本大阪市長の動向もあわせて注視していく必要がありそうだ。

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コメント一覧

  1. 匿名 より:

    日本の経済発展のために、大胆な設備投資を望む。特に大阪圏に期待する、兵庫県や神戸市はノータリン知事や市長が県民の生活を守らない。何を考えているのかわからない早く退陣すべきと考える。この程度の首長なら自分にでもできる。

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