ギャンブル依存症と意思の強弱は関係ない?

   2015/04/22

ギャンブル依存症とは一体なんなのか

ギャンブル依存症

日本カジノ誘致の懸念点として挙げられるギャンブル依存症

2013年末に国会に提出され、2014年末の衆院解散で廃案となった”カジノ法案”。

カジノ議連は、2015年度通常国会に法案を再提出する方針だとしている。

実はカジノ自体は、2013年よりもっと以前から誘致すべきだと言う声が多くあった。

それでは、現在に至るまでなぜこれほど長期に渡って前に進めていないのか。

それはカジノ誘致に対する反対論が根強く存在するからであり、反対論を述べる人・団体の多くが「ギャンブル依存症増加リスク」をその根拠に挙げている。

 

ギャンブル大国「日本」

あまり考えたこともない方が多いだろうが、ギャンブル依存症はここ日本において意外と身近な存在である。

日本でギャンブル依存症が疑われる人数は536万人を超え、全人口の5%程もある。

簡単に言えば、20人に1人となるが、全人口にはギャンブルをしない(できない)子供なども含まれるため、感覚的にはもう少し多い割合になるだろう。

ちなみに、世界におけるギャンブル依存症の人口比は約1%と、いかに日本の割合が異常な数値であるかがお分かり頂けるだろう。

ではなぜここまでギャンブル依存症になる人が多いのか?

その答えはまぎれもなく、「ギャンブルをする人が多いから」である。

日本人がDNA的にギャンブル依存症になりやすいわけでは決してない。

単純に、日本人の中のギャンブルをする人の割合が、世界中の人の中のギャンブルをする人の割合よりも高いというだけだ。

それではなぜ日本人の中でギャンブルをする人の割合が高いのか?

その理由は2つあると考えられる。

1.ギャンブルを”出来る”人が多い

日本は世界的に裕福な国であり、平均的な生活レベルも高い。

つまり、最低限生活に必要なお金”以上”のお金を持つ人の割合が多いということだ。

「生活保護費でパチンコを打つ」というのが最たる例だ。

食べること、生きることで限界であればそもそもギャンブルなど”出来ない”のである。

2.ギャンブルがあまりにも身近にある

都会であれ田舎であれ、パチンコ屋というのはどこにでもある。

そして、そのパチンコ屋は入口にセキュリティがいるわけでも、ドレスコードがあるわけでもない。

つまり、誰でも簡単に入ることができるのだ。

実際、18歳未満は入店禁止となっているが、18歳未満でも堂々と入っている人も多くいる。

これほどギャンブルが生活圏に根深く入り込んでいるのは、世界的にみても非常に珍しいことだ。

それには、パチンコが建前上「ギャンブル(賭博)ではない」とされていることがおおいに関係している。

【カジノ法案】賭博の定義はご存知ですか?

↑こちらの記事でなぜパチンコが賭博と見なされていないかを説明しているので、ご興味のある方はどうぞ。

 

ギャンブル依存症は”病気”

ギャンブルというのはそれ自体、姿・形のあるものではない。

しかし、アルコール依存症やドラッグ依存症と同様に病気なのである。

依存症とは「物質嗜癖(しへき)」「行動嗜癖(しへき)」の大きく2つに分けられる。

前者がアルコールやドラッグなどを指し、後者がギャンブルを指す。

そして、どちらの場合にも脳内物質ドーパミンが関係する。

人は快楽を感じる時に脳内でドーパミンを分泌される。

逆に言うと、人はドーパミンが分泌される時、安心感や幸福感を感じるのだ。

依存症とは、このドーパミンを分泌する回路が正常に動作しなくなっている状態を指すのである。

本来であれば、パチンコや競馬で何万円も何十万円も負けていれば、不快感があってしかるべきだ。

しかし、ギャンブル依存症の状態では、いくら負けているかは関係なく、ただその「ギャンブルをしている状態」に快感を得ているのだ。

つまりギャンブル依存症の人がギャンブルをすると、少なくともギャンブルをしている間は勝っても負けても快感を得ているということである。(もちろん勝ち負けで快感の度合い・大きさは違うだろうが)

快感・不快感という表現を使うと、ほぼ100%と言っていいほど、「意思が弱いからそうなる」「自分は我慢できる」という意見がでる。

しかし、この快感・不快感は”ドーパミン”によるものであり、人は脳で物事を考える。

その脳が故障してしまっているのだから、それは本人がコントロールできるものではないのだ。

ではどういった人が依存症になりやすいのか?

 

大きな要因はストレス

依存症になりやすい人の傾向としては、「人付き合いが苦手」「自分に自信がない」「自己主張ができない」などといった特徴がある。

現代社会は”ストレス社会”と言われるほど、誰でもストレスを感じることが多いが、依存症になる人は総じて、「ストレスをため込みやすい」「ストレスをはきだすのが苦手」なのだ。

一般的にストレスをはきだす方法としては、人に相談する・趣味を見つけるなどがあるが、依存症になりやすい人はこれが出来ない(苦手な)場合が多い。

だからこそ、ギャンブルによって日ごろのストレス・フラストレーションを発散しようとする。

言わば「自己治療」をしているのだ。

しかし、精神的なものに限らず、病気というのは素人がどうこうできるものではない。

この「自己治療」は本質的な解決にはならないどころか、さらなる負のスパイラルを生んでいく。

依存症における本質的な解決とはなにか?

ストレスの源を解消することだ。

例えば、仕事の人間関係にストレスを感じているとして、ギャンブルをすることで何か変わるだろうか。

何も変わらない、それどころかギャンブルに頻繁にいくことで仕事がおろそかになりさらに関係が悪化したり、ギャンブルに行くための資金がなくなり同僚に借金を頼むことで信用を失ったりする可能性もある。

ギャンブルというのは最終的には負けるように出来ているので、結局金の問題も出てくる。

ここで初めて”やめたい”と思っても、「やめれない自分」と直面し、自己嫌悪からより一層のストレスが生まれる。

そもそもギャンブルから快感を得ているのは、壊れたドーパミン回路によるものであり、この「自己治療」は壊れたドーパミン回路をさらに壊していっているだけなのである。

これが「自己治療」の負のスパイラルだ。

しかし、もちろん依存症を治す方法はある。

 

集団療法が有効とされている

アルコール依存症などの物質依存症の場合にも、集団療法が用いられることが多い。

そしてアルコール依存と同じく、「一杯飲んでやめる」ことはできない。

ギャンブル依存症も、ほどほどにしてやめることはできないので、完全にやめるしかない。

しかし、前節でも言った通り、本人ではコントロールできないのだ。

また身近な人に相談したとしても、正常なドーパミン回路を持つ人には、依存者の考えは全く理解できず解決の糸口は見つからない。

考えてみていただきたい。

普通の人に「ギャンブルしすぎて全財産なくなっちゃてさ、家賃も生活費もないから借金したんだ」と言って「そうだよね、わかるわかる」とは決してならない。

むしろ「それはおかしい」と否定されるだろう。

理解してもらうためには、同じ壊れたドーパミン回路を持つ人、または医師やカウンセラーなど適切な知識を持った人に話さなくてはならない。

集団療法の目的は、「共感してもらうこと」「回復への希望を感じること」の大きく2つがある。

集団療法のルールは、「否定しないこと」「強制しないこと」だ。

同様の悩みを持つ人に話を聞いてもらう、またはその人の話を聞くことで、自分の感情や抱える問題に気付くことができるようになる。

また回復に向かっている人の話・経験・方法を聞くことで、適切なストレス発散方法を知れたり、自分も回復できるかもしれないという希望をもったりできる。

しかし、これには大きな2つの痛みが伴う。

1つめは、自分が依存症なんだと完全に認めること。

誰でも、「自分は違う」と信じたいものだ。

その気持ち・プライドを乗り越えて、まずは自分の状態を再認識しないといけない。

2つめは、集団療法の場に行くこと。

そもそも依存症になる人は、「人付き合いが苦手」「自分に自信がない」「自己主張ができない」という場合が多く、こういった集団の場が苦手なのである。

ましてや他人に自分の恥部を赤裸々にさらすなど、考えられない。

その恐怖心を振り払って、場にでなくてはならない。

 

病気の治療には、痛みが伴うものだ。

抗がん剤の副作用に耐える、脱臼した時に骨をはめなおす激痛に耐える。

これらは肉体的な病気なので肉体的な痛みであり、依存症の場合は精神的な痛みなのである。

日本カジノ情報(JCI)のコメント

日本にはすでにギャンブル依存症患者が多く存在しているにもかかわらず、その治療施設は数少ない。

これはカジノを誘致するかどうかとはまた別の問題と認識すべきである。

また、カジノを誘致したとして、カジノは国内に数カ所しかなく、すぐにはいけない。

そして、ドレスコードもあり、セキュリティもいるので誰でも簡単に入れるわけではない。

本当にギャンブル依存症患者が増加するのかどうか、それについてももう少し落ち着いて考えてみるべきではないだろうか。

下部にコメント欄があるので皆さまからもばしばし意見をよせていただきたいです↓

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コメント一覧

  1. 匿名 より:

    カジノが建設されるにあたっての意見を述べたいです。
    カジノができることによって依存者が増えるとは言うけど、筆者の通り、まず入ること自体が難しいからなかなか増える傾向は見えないと思います。
    富豪な人とかがカジノに集まりそこでマネーを使いそれが税金として含まれたり等すれば日本の経済も復活しやすいと思います。もしかしたら外国の富豪な来客の方々がカジノで遊んだりと、日本への資金を与えてくれるかもしれないですし、ましてや日本人の中には、わざわざ外国にいってカジノをする人もいるので、外国に行く費用等が勿体無いなと私は思います。
    よって僅かながらの理由ですが、カジノを建設するに賛成です

    個人の意見としてはカジノがあったら日本も景気いいように見えるんじゃないかという見栄えを気にしてるんですけどねw

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