カジノ解禁後に実際生じた「光と闇」を検証

   2014/12/22

シンガポールと韓国から学ぶカジノ解禁の影響

マリーナベイサンズ

<マリーナベイサンズ(シンガポール)>

カンウォンランド

<江原(カンウォン)ランド(韓国)>

日本におけるカジノ解禁への流れと現状

安倍政権において、経済成長戦略の目玉と称され、超党派からなる「国際観光産業振興議員連盟」(IR議連)より国会に「IR推進法案(カジノ法案)」が提出され、審議入りとなった。

2014年度臨時国会では、審議入りにとどまり成立はならず、また今回の衆院解散にともなって一旦廃案となる。

ただ、カジノ法案は上述の通り、超党派議員連盟から提出されているので、次回衆院選でどの政党が実権をにぎったとしてもあまり影響はなく、今後も議論に熱を帯びてくることはほぼ間違いないと言える。

 

日本カジノ解禁の経済効果試算

IRとはIntegrated Resort、つまり統合型リゾートのことで、ここでは特にカジノを含む統合型リゾートを意味する。

もちろんカジノだけではなく、国際会議場などを含むMICEや、劇場・ショッピングモール・シアター・ホテルなど様々なビジネス利用可能な施設からエンターテインメント施設まで含んだ「複合観光集客施設」となる。

IRを使って多くの観光客を呼び込み、経済戦略の起爆剤にしようというのが、このカジノ法案の主だった内容だ。

その経済効果は7兆円を超えるという試算もでており、CMで話題になったシンガポールのマリーナベイサンズを整備・運営する世界最大規模カジノオペレーター「ラスベガス・サンズ社」(アメリカ)の開発事業責任者ジョージ・タナシェビッチ氏も2014年7月に大阪を訪れるなど、日本へのカジノ誘致・投資に積極的な姿勢を見せている。

同氏曰く、日本にカジノが誘致できるならば、シンガポールに対する投資を上回る5600億円以上の巨額投資を考えているとのこと。

 

カジノ解禁がシンガポールにもたらした光

シンガポールも日本同様、様々な歴史的・人種的背景を克服し独立して以来40年間賭博を禁じていた。

お察しの通り、解禁まで賛否両論激しい議論は巻き起こったが、2005年にカジノを解禁し「マリーナベイサンズ」が誕生した結果、地元に約9000人の雇用創出・観光客数60%増・観光収入80%増を実現している。

また、IR内にカジノを含めることのメリットとしては、集客力ももちろんのことだが、カジノにおける収益によって、IR内の収益化が難しい施設のバックアップや、様々な投資、施設全体の使用料を安く抑えることもできるようになることが挙げられる。

 

カジノ解禁が韓国にもたらした闇

韓国では、1967年に外貨獲得・観光客誘致を目的にカジノが解禁されており、2000年には外国人だけではなく韓国自国民も利用可能なカジノ施設「江原(カンウォン)ランド」が建設された。

江原(カンウォン)ランドはソウルから車で3時間半ほどの人里離れた山の上に位置しているにも関わらず、入口付近には24時間営業の質屋がひしめいている。

地元の人々は江原(カンウォン)ランドに入場する前に、質屋で宝飾品や車などを担保にお金を借りるのだ。

何を言いたいかすでにおわかりいただけただろう。そう、「ギャンブル依存症」に対する懸念である。

江原(カンウォン)ランドでは入場料を設けているものの、その額は700円と安く、年間300万人もの来場数がある。

質屋には高級外車を含め多くの車がずらりと並び、質屋を営む人のなかにもカジノ依存症で破たんした人がいるというから驚きだ。

中毒者にはどのような説得も通じず、明け方になればカジノで負けた人々がゾンビのように行くあてもなく徘徊する光景が、頻繁にみられるとのこと。

20年ほど前に江原(カンウォン)町がカジノ誘致を決めた際は、石炭産業衰退の影響もあり、町そのものがさびれていたため、カジノに対する淡い期待をだれも疑わず、誘致に反対する人もほとんどいなかったようだ。

だが、実際に建設されて14年たった今、カジノで破産した人がホームレス化し、窃盗・強盗などの犯罪が多発するようになった上、子育てなど教育環境の悪化が影響し、若い世代の流出に歯止めが効かず、開業当初2万人ほどあった人口も1万400o人まで落ち込んでしまった。

自殺者もあとをたたず、かつてカジノ誘致に賛成した住民はみな後悔しているという凄惨な状況を生み出してしまった。

 

カジノ解禁のリスクへの対策はあるのか

日本において、カジノ解禁を目指すIR議連も入場料を課すなど、「必要な措置は講ずる」と述べているものの具体的な対策は聞こえてこない。

たしかに、この状態では反対派を抑えることができていないのにも納得である。

メリットだけ語ったとしても100人に聞けば99人が同じことを聞くだろう。

「デメリットについてはどうなの?」

IR議連にはその100人のなかの1人という稀有な存在が集まっているのかもしれない。

 

日本カジノ情報(JCI)のコメント

私自身はカジノ解禁賛成派であることは間違いないが、リスクについてはもちろん気になる。

さらに言えば、「メリット」の部分についても疑念をぬぐい切れていないのも事実である。

「お金は稼げた。でも様々なリスクが浮き彫りになった。」ならまだましだが、「お金も稼げなかったし、依存症患者が増えて、治安も悪化した。」というのは最悪だ。

リスクについてだけでなく、メリットの部分についても疑問を投げかけなければいけないのではないだろうか。

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