【カジノ法案】カジノ議連にも危機感と焦り

   2015/04/22

まさに”今”がカジノ法案の瀬戸際

カジノ議連

審議時間不足、成立見送りもあり得る

2014年末の衆院解散とともに一旦廃案となった”カジノ法案”だが、2015年度通常国会への法案再提出・成立を目指している。

しかし、たび重なる政治とカネ問題や、集団的自衛権など安保法制整備に押され、仮にカジノ法案が再提出されたとしても審議時間が十分に確保できない状況になってしまっている。

また、そもそもカジノ法案の再提出・審議入り自体いつになるか未定。

まさに、日本の「決められない政治」を象徴するような形になっている。

 

これからの注目課題は3つ

上述の状況の中、自民・維新・次世代はカジノ法案(正称:特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)を共同提出する段取りを整えた。

しかし、そこには3つの大きな課題が存在しているのだ。

1つめは「法案の付託先をどの委員会にするか」。

これまでは、カジノ法案は”内閣委員会”に付託していた。

議員立法の付託先は内閣委員会という過去の慣例に従った形だ。

しかし、やはり内閣委員会には重要事案が寄せられるため、一つ一つの審議に長時間を要するものが多く、このままでは一向にカジノ法案の審議に入ることも進めることも難しいと考えられる。

また、岩屋毅カジノ議連幹事長によると、内閣委員会の主任大臣が内閣総理大臣であることから、カジノ法案について「与党内での合意」と「他政党からの理解」があれば、付託先は内閣委員会でなくとも良いとのこと。

ここで名前が挙がったのが、”国土交通委員会”だ。

重要事案を多く取り扱う内閣委員会より、国土交通委員会など他委員会に付託した方が、よりスピーディに審議を進められるのでは、ということ。

ここに連動しているのが、課題の2つめだ。

2つめは「公明党との意見調整」。

自民党とともに連立与党を組む公明党だが、カジノ・IRについては慎重姿勢を一貫している。

自民党としては、一刻も早く公明党と意見を調整し、足並みをそろえて激しく反対する野党(民主・共産など)と戦っていかなければならない。

そして、課題の1つめと連動しているとしたのは、「国土交通大臣が公明党の太田昭宏衆院議院である」ことだ。

課題の1つめの解消のために、法案付託先を国土交通委員会にしたいところではあるが、同委員会に大きな影響を与える国土交通省のトップがカジノ慎重派であることは非常に大きなハードルになる。

3つめは「法案付託の時期」。

付託先の委員会が決定したとしても、その後審議にかける時間が足りなくなる可能性が高い。

というのも、”政治とカネ問題”で2週間程度会期を無駄にしてしまっただけでなく、今年4月には4年に1度の統一地方選挙が控えている。

審議時間を十分に確保するためには、統一地方選前に法案提出→選挙後審議入りという流れが最も良いと考えられるが、選挙前に法案を提出すると、ギャンブル依存症や治安悪化など、カジノ・IR誘致のリスクとされている点について争点化され、公明党との意見調整に支障をきたすだけでなく、選挙そのものに影響を与えてしまう可能性もある。

カジノ議連としては、このタイミングでの与党内の反発は何としてでも避けたいので、法案提出は統一選後が良いのではという意見がでているようだ。

岩屋幹事長によれば、統一選後の法案提出でも”十分間に合う”とのことだが、業界関係者やIR推進派の中では、今国会での成立ができないのではないかという懸念が次第に広がっている。

 

海外カジノオペレーターはしびれを切らしかけている

カジノ法案は、ご存知の通り2013年末に超党派からなるカジノ議連によって国会に法案が提出された。

そして第2次安倍政権において、”経済成長戦略の目玉”と銘打たれ次第に注目度が高まり、2014年5月には安倍首相がシンガポールのカジノ・IRを視察し、国内外でカジノ法案可決への期待度が高まった。

しかし、たび重なる審議の遅れで2014年度通常国会・臨時国会において成立することなく、2014年末の衆院解散とともに廃案となった。

まさに、日本の決められない政治・リーダーシップ不足が露呈している。

このような状況に、海外大手カジノオペレーターのMGMリゾーツインターナショナルのビル=ホーンバックル社長は2015年2月に行った会見内で次のように述べている。

「現状、数年たっても日本におけるIR合法化は実現していないが、引き続き慎重に見守っていくつもりだ。しかし、”永遠に”待つことはできない。IRがこの国(日本)にとって重要であり、必要なのだというリーダーシップが求められる。」

また、カジノ・IRの関係者の中では「タイミングを逸した」という見方もあり、カジノ議連や政府が目指す”東京五輪との同時開業”は物理的・時間的に不可能だと考えられている。

岩屋氏含めカジノ議連も、「大変危機感を持っている」と現状に対する焦りは見せているものの、「東京五輪にあわせて”部分的にでも”開業できていれば、五輪後、つまり2020年以降の経済を支えることにつながる。あまりモタモタしていられない。」としている。

今のところは”まだ”、2020年開業という夢を捨てずにいるようだ。

日本カジノ情報(JCI)のコメント

海外カジノオペレーターもいつまでも待つことはできないだろう。

しかし、東京五輪に間にあわせろとは決して言っていない。

まずは、「東京五輪に間に合わせることが可能か」ではなく、「そもそも東京五輪にあわせる必要があるのか」について議論するべきなのではないだろうか?

なんだかんだ言っても、日本は世界的な経済大国であり、先進国であり、情報発信力もある。

東京五輪にあわせられられなかったとしても、日本の文化と最新技術をおおいに取り入れた新しい形のIRを作ることができれば、そのタイミングで世界から観光客を集めることはできるだろう。

逆に言えば、新しい形、つまり日本ならではの魅力的なIRを作ることができなければ、開業が東京五輪前だろうが後だろうが一時的な効果はあがっても継続的な経済効果は生み出さない。

いつ作るかよりも、何を作るかが重要なのだ。

ここで正しい方向に導いてくれる、リーダーシップを見せることができる人がいるのだろうか?

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